今年最後の記事にふさわしいネタとなりました。話は今年の11月の下旬のこと。ふと気になった箱根町の元箱根の石仏群を見に行ってきました。 この石仏群は、芦之湯から元箱根へ向かう国道1号線現道(箱根国道)沿いにある中世の貴重かつ、優れた石仏・石塔類のことを指します。 私は学生時代、箱根を旅した際、元箱根へ向かう登山バスの車中から、精進池の独特な景観と屹立する五輪塔などの石塔類を見た記憶があるのですが、とうとう現在まで見学する機会がありませんでした。 今回、ふと思い立って、車で行ってみることにしました。
続きを読む土屋一族の墓(平塚市)【前編】
鎌倉時代を生きた武士に、土屋義清という御家人がいた。彼は頼朝の挙兵に当初から付き従った鎌倉幕府の古参御家人、岡崎義実の子である。彼は土屋宗遠の養子に入ったため、土屋を名乗り、最初平氏に仕えたものの、頼朝挙兵に応じて以降は幕府に仕えた。彼の生涯はほとんどのところが記録に残されていない。彼は建保元年(1213)の和田義盛の乱で敗死し、その生涯を閉じる。ただ、その命を散らす間際の勇猛な戦いぶりだけが、後世の人々に記憶されることとなった。 行こか鎌倉、戻ろか土屋 思い乱れるる杜鵑山(とけいざん)・・・ とあるホームページに載っていたこんな歌に心を惹かれ、土屋義清が生きた旧地を訪ねたいと思ったのは、今年の春頃のことであった。
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