類聚メモ帳PART2

更新はすごい不定期です。

年越ししたジョロウグモ

久々のクモネタ。

これは昨年末も暮れの暮れ。大晦日のことであった。年越しそばに海老の天ぷらをつけたい!と思った私は、もう年末の買出しは済んでいるのに、その海老だけを買いに近所のスーパーに出かけた。

ところが年末のスーパーは大混雑。とても海老天一つを買ってその長蛇の列に並ぶのが馬鹿馬鹿しいくらいの混みように、結局、私は隣のドラッグストアでなくなってしまったアルミホイルだけ買って帰ったのだった。

その帰り道、家の近くの歩道橋の下に、なんとジョロウグモが巣を張っているのを見たのだった!!!

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ちなみに場所は杉並区内。時刻は2021/12/31の午後1時過ぎのことであった。

 

いやいやいや…ジョロウグモがこんな冬にいるわけないでしょ…!

 

ジョロウグモは日本全国で普通に見かける造網性の大型のクモで、卵で越冬するはず。

だから通常は晩秋から初冬にかけてジョロウグモは姿を消す。

それがこんな年越し間近にいるなんて…

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……とは思わなかった。なぜなら私はかつて正月にこのクモを鎌倉の妙隆寺の入り口の植え込みで見たことがあるから。

そして、気になってTwitterで検索すると、年越しするジョロウグモがいることがわかる。そんなことをTwitterに投稿する人は(自分も含めて)奇特な人だか、好き。妙に親近感がわく。

 

なお、インターネットで検索しても、結構多くの「年越しジョロウグモ」がヒットする。中には年越しどころか2月・3月まで生存しているジョロウグモもいる。卵を産んでからもう一度巣に戻る個体もあるとか…タフだねぇ

 

実はこの歩道橋の上にある電線に秋の頃から巣を張っていたジョロウグモがいたのだが、それが下りてきたものではなかろうか。

私の実家がある世田谷ほどではないが、杉並もジョロウグモはそんなに多くない(地方に行くとウジャウジャいるけど、23区内はやはり少ない)。

 

あれから大風の吹いた日もあったから巣が吹き飛ばされたりで下りてきたのだろう。

歩道橋のこのスペースは人には近いものの風の影響はあまり受けなさそう。うまいところに収まったものだ。

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巣にはいくつか虫の死骸(食べ残し)のようなものがついていた。だが、いつのものかはわからない。小さい虫を食べて、まさに糊口を凌いでいたのか…

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かわいそうだから、触ったりはしなかった。この日も寒くて風が強い日だった。もう相当弱っているであろう。卵は産んだのであろうか?このお腹のサイズだと産んでいないのかも…?いや、もしかしたら彼女も産卵でいったん電線の巣から下りて、産卵後に歩道橋に巣を張りなおしたのかも…?

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なお、年明け後、3日にこの場所を通過した時、やはりクモは巣を張っていた。

ジョロウグモは見事に年越しした。

しかし、6日に東京地方は大雪が降った。翌々日にこの場所を通るともうクモはおろか巣の痕跡さえいっさい見当たらないほど、何もなくなっていた。

降り積もった雪とともに、クモも巣もいっさい落ちてしまったのだろう。

 

昔、埼玉県で一人暮らしをした時、11月に雪が降った時があった。

11月だったら普通にまだジョロウグモがいる季節。水分を多く含んだポタポタ雪が巣にからまりながら寒さにじっと耐えているようなジョロウグモを見て切なくなったことがある。

 

まあ条件と環境次第だろうが、意外と寒さに強いのね。

 

この付近で次の秋にでもジョロウグモがいたら、彼女の子孫だろうか?

 

クモもこんなにがんばってがんばってその短い一生を送るんだから、人間も負けてられないね。

新年もいろんなことを乗り越えて頑張っていきましょう。

(おわり)