類聚メモ帳PART2

更新はすごい不定期です。

伊弉諾神宮(淡路市)

こうして私たちは徳島入りして、この日はJR徳島駅前のホテルで一泊した。翌朝、近くのレンタカー屋でレンタカーを借りると、さっそく北へ車を向けた。せっかく徳島へは来たが、向かう先は大鳴門橋である。鳴門北ICから神戸淡路鳴門自動車道に乗れば、まもなく大鳴門橋の表示が見える。こうして渡る海は「〽阿波と淡路の間の海は ここぞ名に負う鳴門の潮路…」で有名な四国と淡路島の間を流れる鳴門海峡だ。

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こうして私たちは淡路島に入った。本四九州北海道を除くと、沖縄本島佐渡奄美対馬に次ぐ大きさで、瀬戸内海に浮かぶ島では最大の島である。

 

律令制下ではこの島単独で淡路国を構成していた。

 

北側は明石海峡を挟んで本州と、南側は鳴門海峡を挟んで四国と、東側は紀伊水道を挟んで和歌山と接している。うち北端と南端は高速道路で結ばれているので、島の大きさも相まって離島間はあまりない。

 

むしろ本四の連絡橋の橋脚島のような恰好である。

 

夫婦ともこの淡路島に来るのは初めてだ。

 

言うまでもなく淡路島は現在は兵庫県の所属である。しかし、明治以前は蜂須賀家の阿波徳島藩領であった。

 

目的地の島の中心、洲本の隣、淡路市多賀(かつては津名郡一宮町)に所在する伊弉諾神宮である。

淡路国一の宮である。

 

ここへは高速道路の津名一宮インターでおりて、一般道を走るとまもなく到着した。

 

さあ、長い長い新婚旅行の最初の目的地に順調に到着した。

 

この日から始まる旅の頼もしい相棒となったレンタカー。

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何が配車されるかは当日までわからなかったが、出てきたのは黒のスイフトだった。レンタカーでは意外と多い。

この「徳島」ナンバーのスイフトはこれから紀伊水道をこえて、和歌山までお供してもらうことになる。

 

…ということで伊弉諾神宮。

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この淡路島は記紀イザナギイザナミの国生みの物語では、二人が最初に産んだ島が淡路島ということになっている。また、イザナギ幽宮かくりのみや(隠居地)が淡路島ということになっており、これが当社の起源とされている。

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なお、イザナギの幽宮は近江(滋賀県)の多賀大社もその伝承地とされており、そこの祭神もイザナギイザナミである。

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だが、多賀大社イザナギの幽宮だというのは諸説あるそう。でもそれにしてもここの地名も多賀だから、多賀というのはイザナギイザナミに関連した語であるらしい。

 

平日で朝ということもあり、人は少ない。が、まったく参拝客がいないわけでもない。神職たちも朝から忙しそうに境内を往来している。

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イザナギイザナミは日本の神話に登場する最初の夫婦ということも新婚旅行にはぴったしな場所であろう。だけど、イザナギイザナミは喧嘩別れするけどね。

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中世には神仏習合で神宮寺があり、近世は阿波徳島藩蜂須賀家の崇拝を受けた。

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神門を入ると…

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こちらが本殿となる。明治になってから禁足地であった幽宮跡に建設された。

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延喜式神名帳には「伊佐奈伎神社」とあり、昭和まで「伊弉諾神社」という名称で呼ばれていた。伊弉諾神宮となるのは戦後のことである。

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淡路島は一度は行ってみたかったが、伊弉諾神宮の存在を知ったのはわりと最近だった。コロナ関連のニュースを見ていたら出てきたのであった。

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「夫婦和合」の絵馬を買ったのだが、どうせなら記念写真でも撮ればよかった。なにしろ撮ってくれる人もいないし、三脚も持参しなかったので、この新婚旅行中、二人で撮った写真は一枚もなかったのが残念だった。

他はともかくここでは二人で撮りたかったな。

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それではそろそろ次の場所へ。

(つづく)