類聚メモ帳PART2

更新はすごい不定期です。

御射鹿池(茅野市)

11月の連休は長野へ。朝、温泉へ行くついでに茅野市にある御射鹿池(みしゃかいけ)に行ってみた。

ここは、かつてシャープの液晶テレビアクオス」のテレビCMで有名になった画家・東山魁夷(ひがしやまかいい)の名作「緑響く」のモチーフとなった池である。

国道299号(メルヘン街道)から奥蓼科温泉郷へ行く途中にある。

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東山魁夷(1908~1999)は、東京美術学校で学び、帝展、日展で活躍。皇居新宮殿の障壁画を担当するなどした日本を代表する日本画家である。1969年に文化勲章を受賞している。

彼は1926年に初めて信州を訪れ、蓼科の周辺をモチーフにした作品をいくつか残している。

長野県立信濃美術館東山魁夷館所蔵の「緑響く」(1982年)はそのうちの一つ。東山の信濃を舞台とした作品は、いずれも幻想的な山国・高原を描いたものが多いが、この作品もまさに静寂な湖畔の空気までが伝わってきそうな幻想的な色合いだ。

※こちらからご覧になれます。

件のシャープの液晶テレビのCMで、とても有名になった。

また、例によってインターネットで広まり、近年有名な写真スポットとなった。

かつてはなかった道沿いに駐車スペースが整備された。

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というわけで、マイカーもここに駐車。

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人もたくさん。みんなスマホや一眼レフでパシャパシャ写真を撮っている。

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◆ ◇ ◆ ◇

しかし・・・

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なんかぜんぜん絵やCMの風景と違う・・・

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やっぱり季節や時間帯、天気を選ばないと絵のようには撮れないね。

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でも、山々の紅葉はまさにこの時がピークで見ごろだった。

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秋はいいね。一番大好きな季節。

なぜかこの時期は、嫌なこと、悲しいこと、辛いこともいっぱいあるけどね。

まぁ、だからこうして長野に来て紅葉に心を慰めるのだ。

◆ ◇ ◆ ◇

ところで御射鹿池(みしゃかいけ)というこの池。

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不思議なネーミングだが、もともと1933年に作られた農業用のため池である。

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ここら一帯は、高地であるため、農業用水の水温が低く、水田耕作が難しかったようだ。

稲はもともと熱帯の植物。品種改良されるまで、寒冷地での栽培は難しかった。

そこで、このあたりではため池を作り、水を太陽の力で温めて農業用水にする、ということが昭和戦前期から盛んにおこなわれてきた。

今、観光用として有名な白樺湖も、女神湖も、蓼科湖も、みんな同様のため池である。

ちなみにその名は、このあたりが諏訪大明神の狩場という、神聖な地であったことに由来するという。

東山魁夷の名作とともに、何と神秘的な名前を持つ池であろうか。

蓼科温泉へと続く、この道沿いにはずっと石仏がある。

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ビーナスライン沿いの高原リゾートとはまた違った蓼科の魅力が、ここにはあった。

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ちなみにカーナビに「みしゃかいけ」と入力しても出てこなかった。

地図には表示されているのに・・・

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結局、スマホのグーグルマップのナビ機能を利用したが、ずいぶんわかりやすく案内してもらい、無事つくことができた。

もうカーナビの時代も終わったかな・・・

◆ ◇ ◆ ◇

国道299号を茅野市街方面へ。

どちらかと言うと、原村や富士見へ行く途中、茅野市玉川地区にある「玉宮温泉 望岳(ぼうがく)の湯」へ

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茅野市内には、いくつか公共温泉があるが、ここもその一つ。

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公共施設なので低料金。

なのに、なかなかいいお湯。

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というか、茅野公共温泉施設では、私はここが一番好き。

少し熱めのお湯が、熱いお風呂好きの私にはとてもマッチしているのだ。

そして、「望岳の湯」の名前の通り、八ヶ岳をはじめ、周囲の山々の景色が素晴らしい。

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付近はとてものんびりしている。

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お風呂は、貸切りかと思いきや、地元の人たちが数人。

おじいさんたちと家族連れ。

ちびっ子たちがわいわいと楽しそう。

賑やかで、とてもいい感じでした。

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朝風呂、温泉とっても幸せでした。

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信濃秋、青空遠く 紅葉晴れかな

(つづく)