憧れの秋葉寺をあとにした私たち。山道を秋葉神社まで戻り、さらに駐車場に戻ると、車に乗り込み、この日最後の目的地、山住峠(やますみとうげ)にある山住神社へと向かうことに。しかし、この時点で15時近く・・・
果たして神社が開いている時間までに着くことはできるのでしょうか。一抹の不安がよぎります。
そんな山住神社へは引き続き「天竜スーパー林道」を水窪(みさくぼ)方面へ進みます。秋葉神社までのスーパー林道はまあまあ自動車の往来がありましたが、ここから先は対向車は2台ほどしか行き違いませんでした。
道も相変わらず崩れて落ちてきた石がゴロゴロしている状態。
それでも交通量の少なさから言えば楽な道です。後続車も対向車もほとんどこないので、自分のペースで進むことができます。
途中にあった自然公園のような場所に車を止めて休憩です。
標高は高いものの、視界は悪く特に何も見えませんでした。
そして、秋葉神社駐車場を出発してからだいたい1時間ほど。
山住峠へ到着しました。
ここで事件発生!
道沿いにある駐車場に車を前向きで止めようとしたら・・・グゴゴゴゴ・・・という音が!
「しまった!」
車止めにフロントバンパーの下部があたったようです。
「あああ・・・・うへぇ・・・」
そんな絶望的な悲鳴をあげながら、何万とかかるであろう板金修理代が頭に浮かびました・・・
「ああああ・・・・やっちまった・・・」
そう言いながら車を降りて、前を確認すると・・・
私 「あれ?傷がないよ・・・」
友達 「そっかぁ、じゃあ下の見えないところをこすったんだねぇ」
それで私は膝をついて、バンパーの下をのぞきこんで確認するも・・・
私 「あれ?やっぱり傷はないよ。おかしいなぁ、音はしたよね?」
友達 「うん。音は聞こえた」
それで二人でバンパーを中心にあちこち見て回ったのですが、とうとう傷は確認できず。
確かに音はしたし、車止めの高さから考えてもフロントバンパーと車止めが接触したのは確かなのですが・・・
不思議なことでしたが、傷がないので、全部オッケー。
その場は三尺坊のお札を積んでいたから、その加護があった、ということにしておきました。
おまけに車内には他に諏訪大社のお守りもかかっているし。
いや、実際にそうだったのかもしれませんね。
あるいは速度が非常にゆっくりだったので、樹脂製のバンパーに目だった傷がつかなかったのかもしれません。
そんなこんなであらためて山住峠を見渡します。
デーンとカモシカの像があります。
下界は連日30度越えが続く残暑が厳しい時期ですが、標高が高い山住峠はなんと18度。
肌寒いくらいの心地よさに思わず深呼吸。
そこから歩いて山住神社へ。
秩父や武蔵御嶽とは離れていますが、ここにも狼信仰が根付いています。
ひっそりとした境内。
授与所がありましたが、人気なし。
しかし、ふと見ると神主さんが本殿で祝詞を唱え勤行中でした。
ほんでもってまずは本殿に参拝。
そして、しばしお勤めが終わるのを待ちます。
神主さんが授与所に戻ると、お札を所望します。
こうして山住神社の狼のお札を授かることができました。
さらに別の天狗(?)の御影もあったので、いただきました。
こうやって書いていると、まるでお札集めをしているかのような印象を受けると思いますが、私は単にお札を集めるだけではなく、その地の雰囲気や地勢を堪能することが本来の目的なのです。
そういった意味では、秋葉山と山住峠は本当に雰囲気が最高で、いつまでもここにいたい、この空気を堪能したい気になりました。
だけれども、そろそろ東京(=現実)に帰らなければならない時間になりました。
私は名残惜しむように、運転席に乗り込んでも、しばらく車の窓をあけ、外の山々を眺めていました。
また同じように、夏の終りにここに来たい。
そう思って車をバックさせるのでした。
ちなみに帰り道は、暗くなるだろうと思い、水窪の市街地へ出て、国道152号へ出ることにしました。
・・・が、これが失敗。
まず山住峠から水窪までの狭路(きょうろ)に難儀。
そしてたどりついた国道152号も、1.5車線のような狭さな上に意外に交通量が多い。
なれてない私は渋滞を作った上、どうしても左側が怖いので対向車を待たせてしまったりと、ずーと神経使いっぱなし。
秋葉ダム付近でちゃんとした2車線になるまで、疲れること、疲れること。
これなら道が悪くても圧倒的に交通量が少ないスーパー林道を東雲名まで戻った方が、ずっと楽でした。
今後の教訓ですね。
そんなこんなでこの旅もようやく終わるのでした。
(終わり)