類聚メモ帳PART2

更新はすごい不定期です。

蛸薬師(成就院)へ行ってきた

前回の続きです。それでも痛い首を引っ提げて、フラフラと歩いて、目黒不動の方へ戻ると、目的地の成就院についてしまいました。この成就院は、目黒不動尊瀧泉寺と同じ天台宗のお寺ですが、蛸薬師の通称で知られているとのことです。こじんまりとした境内は、山門と本堂があるだけの質素なお寺ですが、タレコミによると、ここで何と秋葉山のお札を頒布しているとのことです。これは是非とも入手しなければなりません。さっそく本堂へ向かいます。 IMG_6917.JPG 境内は本堂のみのこじんまりとしたもの。 IMG_6910.JPG 説明板がありました。 IMG_6909.JPG

下目黒3-11-11

 天安2年(858)慈覚大師の開山で、本尊は大師の自作と伝えられ3匹の蛸にささえられる蓮華座に乗る薬師如来像です。俗に蛸薬師とよばれ疫病除の仏として人々にあがめられています。
 この寺の所有に浮世絵師鳥居清長(1752~1815)筆の歌舞伎十八番の一つの出し物を描いて「矢の根五郎」の額がありますが、国の重要美術品に認定され国立博物館に保管されています。
 境内には、德川2代将軍秀忠の側室、お静の方がわが子保科正之の栄達を祈願し、大願成就のお札に奉納された「お静地蔵」が建てられ、また、3代将軍家光が遠州秋葉大権現を勧請した「秋葉大権現」が併祀されています。この他に江戸時代の地蔵尊庚申塔が建っています。
平成3年3月
目黒区教育委員会
蛸薬師の由来は、次のようです。 天台宗の開祖最澄の高弟であった円仁(慈覚大師)は、遣唐使として唐に渡って非常に苦労して勉強したお坊さんです。その円仁がいよいよ日本に帰る時に、海が大変荒れました。そこで円仁は自らが常に持っていた薬師如来像を海神に捧げたところ、ピンチを乗り切ることができ、無事に帰国することができたそうな。 その後、円仁が諸国の巡礼に出た際、九州・肥前の松浦で、海上に自らが海神に捧げた薬師如来が蛸にのって光の中で浮かんでおり、円仁は思わず薬師如来との再会を果たします。 ほんでもってさらに後に円仁が、ここ目黒の地に松浦で見た薬師如来を彫って、さらにその中に蛸が運んできた薬師如来を納めて祀った、というのがその由来とのことです(お寺のHPより)。 でも確か京都にも蛸薬師ってありましたよね。 まあ、それはともかくとして、ここのお寺のもう一つ注目すべき点は、秋葉(あきは/あきば)大権現を勧請したことでしょう。 その後、成就院は江戸期には衰微してしまったらしいのですが、江戸幕府三代将軍家光の時、幕府の支援を得て再興されました。その際に、遠州秋葉大権現が当寺に勧請されたのです。 秋葉大権現は、静岡県春野町(現浜松市天竜区)にある秋葉山(あきはさん)に対する信仰で、他の多くの山岳信仰と同様に修験道の影響を強く受けています。秋葉の神は、三尺坊大権現(さんじゃくぼうだいごんげん)と呼ばれることが多いのですが、その正体は死後、天狗と化した山伏です。 この神は、火伏、つまり火災予防の神として、中部地方・関東地方で非常に広く信仰されました。京都の火伏の神が愛宕山であったならば、江戸の火伏は三尺坊ということで、どちらも天狗信仰であることが興味深いです。 その秋葉大権現が勧請され、非常に崇敬されたとあって、このお寺では今でもお札を出しているとのことです。 これは・・・欲しい! ・・・ということで、本堂へ。賽銭を入れて、お参りをします。 IMG_6912.JPG 賽銭箱の上に授与品のサンプルが置いてありますが、人がいない・・・ どうしよう、どうしよう、と思って、不意に横を見ると、「受付」とある窓があります。 しかし、ここもすだれがおりており、人がいない・・・と思いつつも、ちょっと下からのぞいてみると、誰かが動いた・・・気がする。 すると、すぐに本堂の扉があいて、お寺の方が出てきました。 私「すいません・・・あの、この秋葉山のお札が欲しいんですが・・・」
お寺の方「秋葉権現ですね・・・少々お待ちください」
よっしゃ、ラッキー こうして秋葉山のお札を手に入れることができました。 IMG_6913.JPG いやあ、うれしい。秋葉山のお札は結構前から気になっていたんですよねー。 境内にはいい感じの石仏などがあり、落ち着いた雰囲気です。 IMG_6914.JPG 「ありがたや 福をすいよせる 蛸薬師 IMG_6916.JPG いつまでもいたかったのですが、お墓相談会みたいのを境内でやっており、あんまりウロウロしてると怪しまれると思い、そさくさと退散。 しかし、このお札・・・でかい。 いままで蒐集したお札の中で最大だったのは、武蔵御嶽神社のオオカミのお札でしたが、オオカミのお札はまだカバンの中に入りました。しかし、このお札は、完全にカバンの中に入りませんでした。 折りたたむのは嫌だし、変に入れて皺でもついたら大変。しかたがないので、そのまま持っていくことに。 この日の予定は、これしかありませんでした。 お腹も空いてきたし、これからお昼に山菜そばを作って食べる予定だったので、帰ることにしました。 バスは道路が混むから、帰りは電車でと思ったのですが・・・ 目黒の駅へ向かって、お札片手に歩いていくと・・・ 風!風でお札が折れてしまうじゃないか! 向かい風のせいで、手に持ったお札が折れてしまう! やっぱ、バスで帰ろう。 5分ほど待って来たバスに乗って、渋谷駅へ戻りました。 IMG_6918.JPG 授与品合計2000円+往復バス代420円。合計2420円。 ずいぶんと出費をしてしまいましたが、欲しいものを手に入れて大満足です。 IMG_6919.JPG 蒐集したお札の紹介は、また次回・・・ (つづく)
キノの旅〈12〉the Beautiful World (電撃文庫)

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