この日の風向きで北側のポイントは、着陸機がよく見えるのですが、この日は全体的にあまり飛ばない日のようでした。戦闘機は、さきほど見たF/A-18E
スーパーホーネットで終わりで、あとは米軍にヘリコプターが飛んでいるのと、海自の
P-3C対潜哨戒機がタッチ・アンド・ゴー(ちょっと着陸して、またすぐ飛び立つ訓練)を繰り返しているだけでした。前回の
茨城空港ツアーが、当たり過ぎただけに、今回はちょっと不作でした。
こちらのポイントにも小さいながら駐車場があります。寒いので、しばし車内待機。
やってきた
P-3C対潜哨戒機「オライオン」。エンジンの煙が結構目立ちます。
これはさきほどの対潜哨戒ヘリコプターと同様、敵の潜水艦の索敵と攻撃を行う飛行機です。
開発は1975年と古い機体ですが、非常に能力が高いため、現在まで様々な国で運用されています。
通常は敵潜水艦の索敵と同時に洋上の監視も行っています。
この機体は、何回もタッチ・アンド・ゴーを繰り返していました。
結局、この日はこの機体だけ何枚も撮ることとなりました。
後部に注目すると、いっぱい穴があいています。
これはソノブイという、使い捨てのソナー(音響探査装置)を積んだ浮標を搭載する投下装置です。
索敵する際は、ここからソノブイを海に投下し、水中の音を集め、潜水艦を追跡します。
日本は、海に囲まれた国なので、対潜水艦作戦を非常に重視しています。そのため、この
P-3C対潜哨戒機を
アメリカに次いで多く
保有しています。一方で老朽化による退役も進み、後継機は国産のP-1対潜哨戒機とされています。
結局、夕方まで粘りましたが、あまり収穫はありませんでした。こうして
厚木基地ツアーは終わりました。この後、大和の駅前のファミレスで食事をしていたのですが、その最中にレストランの室内まで爆音が響き渡りました。周りの人たちは、みな平然としていたのですが、私たちは箸をとめて、顔を見合わせました。
その時は、もう相当暗くなっていたのでしたが、訓練か何かで戦闘機が発進していったのでした。やっぱり、この爆音は耐えがたいものがあると実感しました。
厚木基地の艦載機は、2014年には
岩国飛行場へ移す計画となっていました。これは
岩国飛行場の滑走路を新たに沖合に移す工事が完了したためです。そうなると今度は岩国の人びとの負担が増えるわけですが、少なくとも
厚木基地周辺の負担は、少しは減る・・・はずでした。
しかし、この計画はほぼ遅れることが決定的です。さらに実際には日本に配備されている空母の母港(横須賀)と
厚木基地の距離を考えると、岩国移転後も艦載機訓練の場所を完全に移転することはないのではないかという予測もあります。
そう考えると、いろいろ
厚木基地の今後は不透明なのです。
抑止力という観点からは、米軍基地を日本から完全になくすことは、現実的ではありません。
しかし、事故の危険性と騒音を、可能な限り減らす運用への努力は続けていく必要があると思いました。
(おわり)
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