スピーカーで繰り返し案内している宗吾御一代記館の周辺は閑散としています。
入館料を見てみると、大人700円もします。高い!
相当興味がない以上、ちょっと入ってみる気はしない価格です。
200円とか300円だったら、入るかもしれませんが・・・
結構強気な値段設定です。
でも、何か興味を誘うものがあり、受付に行ってみました。
しかし、誰もいない・・・
呼び鈴を鳴らすと、おばちゃんが携帯電話で誰かと話しながら出てきました。
ともかくお金を払ってパンフレットをもらい、中に入ります。
内部は写真撮影禁止でしたので、この出たところの写真をもって、これから私が何を伝えんとしたいのか、わかっていただければと思いますが・・・
内部は惣五郎の生涯を13場面に分けて、人形を使って再現しています。
ボタンを押すと、シーンの説明が流れる仕組みです。
作りはかなり安っぽい(上に、古い)のですが、いろいろ手は込んでいます。
流れとしては
佐倉藩の家臣たちの暴政 → 農民の窮状 → 惣五郎という人物(一揆を止める) → 江戸での駕籠訴(側用人で関宿の殿様、久世広之への直訴)→ 将軍への直訴を決める → いったん故郷の公津村へ帰る → 甚兵衛の渡しの話 → 妻子との別れ → 将軍家綱への直訴 → 処刑 → 東勝寺の由来
といったところです。
これで700円というのは、一般の人には高すぎるかもしれませんが、私は久しぶりにゾクゾクするものを感じました。というのも、この宗吾御一代記館のこの雰囲気。まるでこの21世紀に世界に取り残されたかのような、いつの時代ともつかないノスタルジアに言いようのない興奮を覚えました。江の島の回で述べましたように、私はこういった庶民が形成していった強烈な「俗」が好きなのかもしれません。
なお、この宗吾御一代記館に入ると、宗吾霊宝殿にも入ることができます。
佐倉宗吾の遺品・・・とされるものや、位牌、その他、関係ありそうなものも、なさそうなものもいろいろ展示してあるのですが、どれもこれも保存状態は劣悪なようです(もっとも文書類はほとんどコピーでしたが)。古びたガラスケースに入ったものは、どれも破れてたり、鋲が錆びていたり。ある意味、歴博に展示してあるものよりも、古さがリアルですが、まあ地方の記念館はだいたいこんな感じのところが多いですよね。
さて、ところで信仰といった面でも宗吾信仰について何か知りたいと思いましたが、こちらはもうちょっとちゃんと文献で調べないとだめみたいです。紙のお守りを買ったのですが、なんだかインクジェットプリンターで印刷したような(本当にそうかはわからないですけれども)感じのもので、がっかりでした。